「ユーキャン新語・流行語大賞」というステマになりきれない壮大なイベント。なぜ「戦争法案」を選ばなかったのか。

「ユーキャン新語・流行語大賞」というステマになりきれない壮大なイベント。なぜ「戦争法案」を選ばなかったのか。

意識低い社長です、こんにちは。

先日、年末恒例「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表されましたね。ノミネートされた50語の段階、そして10語に絞られた段階でも色々と言われていましたが、大賞が選ばれたらまたそれはそれで色々な意見が出てきました。

ちなみに大賞に選ばれたのは

「トリプルスリー」「爆買い」

ネットを中心とした意見としては「爆買い」は分かるけど「トリプルスリー」って何だよって感じでした。野球を普段見る人ならなんとか分かる感じ、そして野球を見ない人には全く分からなかったのではないでしょうか。

なんjでも「トリプルスリー」はねーよって意見が大半でしたからね。

そして、今年は政治的な言葉は大賞にはなりませんでしたが、トリプルスリーと同じくなんで選ばれたんだと言う意味で「アベ政治を許さない」「SEALDs」がトップテンに選ばれています。

50語にはもっとたくさんのなんで選ばれたのかよく分からない政治的な言葉も含まれています。特に安倍政権に対して批判的な言葉が多く、自民党支持層やいわゆる保守層の人たちからは疑問の声が多く挙がっていました。

なんでこう言った流行っていない言葉が選ばれるのか。それはぜひ常見洋平さんのブログをご覧いただければと思います。

流行語大賞批判を批判する その性質、意義を理解すべし
http://blogos.com/article/147799/

ところどころ引用させてもらうと、なんで流行っていない言葉が選ばれるのか、ようはなぜ違和感を覚えるのかのポイントを一部抜き出すと

・別に検索結果ランキングでもなく、審査員が選んだものである。
・一企業が行っていたものが、徐々に権威化していったという意味では、芥川賞・直木賞や、ミシュラン・ガイドなどに近い。
・政治のキーワードはたしかに突出して多かったが、とはいえ政治関連の問題がある年は絶対数も割合も高くなる傾向はある。
・現代用語の基礎知識に掲載されている語から選ばれている(だから、10月以降に流行ったものは選ばれにくいし、逆に年初に流行ったものは失速し、やはり選ばれにくいかも)

そして

さらに付け加えるとすれば、受賞語、受賞者というのは単にその年、流行っただけでない。そこに世相を読み解いていることがポイントである。

ということみたいです。

確かに選んだ側としてはそうなんだろうなーと言う感じです。

ただ、それなら「ユーキャン新語・流行語大賞」と言う名前ではなく。「有識者が選ぶ今年を読み解く言葉大賞」とでもして欲しいものですね。

「ユーキャン新語・流行語大賞」は非常にキャッチーなのでネタになりやすいから使うんでしょうけど、流行語を選ばない時点で看板に偽りあり。さっさとその看板を下ろすべきでしょう。

「有識者が選ぶ今年を読み解く言葉大賞」であればたとえどんな言葉を選ぼうが文句を言われる筋合いが無いはず。

「ユーキャン新語・流行語大賞」は主催者が望んでいないかもしれないけど、多くのメディアが取り上げ、多くの国民に注目された一大イベントになってしまいました。

確かに公的なものでもないし、1企業が勝手に言っているだけなので、それに文句を言っても仕方が無いのですけど、なんとなく文句は言いたくもなりますよね。

「ユーキャン新語・流行語大賞」がそんな高尚で意識高いものだなんてほとんどの人は考えていないでしょうし。

ぜひ皆さんには「ユーキャン新語・流行語大賞」のサイトで過去に受賞した言葉を見ていただきたいです。2012年までは「あー、懐かしい」「あったあった」と言う言葉が選ばれているでしょう。

「ユーキャン新語・流行語大賞」
http://singo.jiyu.co.jp/

それまでは確かに政治的な言葉もあったけど、誰もが知っているような言葉だった気がします。もちろんネットが発達する前、TVや新聞しか情報源が無い時代では、その媒体に取り上げられる言葉が圧倒的に強くなるからという側面もあるかもしれません。

しかし、ここ数年の「ユーキャン新語・流行語大賞」はちょっと狙い過ぎている感がありますよね。けど多くの人が違和感を感じてしまう。国民の関心高い年末の一大イベントで壮大なステマをしたいんだろうけど、誰も知らないから「それおかしくね?」と逆に評価を下げてしまう。

今年はある意味、かなり考えていたと思うんですよ。50語を選んだ段階で、かなりの安倍政権に批判的な言葉を入れて、なんとなく空気を醸成する。そして10語には割合から考えて、2語くらいは入っててもおかしくないような感じにさせる。そして最後は、って感じだったんでしょうけど、さすがに批判の声が多く大賞は断念。って感じでしょうか。

まあ、さすがに大賞までは考えていなかったかもしれませんが。

僕としてはなんで「戦争法案」が入らなかったのかが不思議でなりません。「アベ政治を許さない」よりもよっぽどマスコミでも取り上げられていたワードだからです。

なんでこれが選ばれなかったのかは、多分レッテル貼りだからでしょう。「戦争法案」は主に反対する人たちが作った言葉で、正式名称は「平和安全法制」であり、マスコミでも安保法案や安全保障関連法案と言った言葉で伝えられています。

もし、「戦争法案」という言葉が選ばれでもしたら、本当は「平和安全法制」と言うことも話をしなければなりません。

本来であれば中身が重要なのですが、反対派の人達は「平和安全法制」だと困るのです。だって「平和と安全」のための法案になんで反対するんだって。

だから「戦争法案」は外さざるをえなかった。でも50語に選ばれたら「戦争法案」という言葉だけは人の目につきます。いや、上手いですよね。ここはうまくステマできたと思います。

まあ、なんで「トリプルスリー」が選ばれたのかはさっぱり分からないんですが。野球界からの圧力?やくさんの個人的なプッシュ?でも横浜の話じゃないしなー。

恐らく来年は審査員の総入れ替えか、もう少し穏当な政治的な言葉を選ぶようになると思います。そもそも評価はかなり下がり、googleの検索ワードランキングがマスコミに大きく取り上げられるようになるかもしれません。

結局ステマをすれば、自分の身に帰ってくると言う好例を残したんじゃないのかなという今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」でした。

※全部想像です