佐野研二郎氏はクリエイティブ界隈での国民的スター養成プロジェクト。アイドルのゴリ押しに似ているような気がする

暇つぶしのちょうどいい話題を提供してくれている佐野研二郎氏。毎日毎日なにかしら新しい発見がネットでされるので、googleニュース検索で「佐野研二郎」と入力して、検索ボタンをクリックすることが毎日の楽しみになっています。

ネット上ではオリンピックエンブレム選考にまつわる人脈図や、なぜ東京オリンピック組織委員会が佐野さんのエンブレムをここまで守るのか色々と言われていますが、結局のところオリンピックのエンブレムを佐野研二郎氏が作ったものを選ぶことで「佐野研二郎」という国民的なクリエイターを作りたかったんだと思うんです。

僕が知っているクリエイターと言えば佐藤可士和さんくらいしか知らないのですが、彼は様々な媒体に露出することでクリエイティブ界隈を乗り越えて一般の人も多く知っているクリエイターだと思います。ユニクロやTポイントカードなど身近なロゴを作成したことも多くの人が知っている一つの理由なんだと思います。

素人考えで恐縮ですが、ロゴははっきり言って素人が作ろうが芸術大学を出たプロが作ろうが、名前を隠した状態であれば誰が作ったのも良いものは良いと言うだけで、差はないと思います。例えばクラウドソーシングで100個くらい案を集めて、その中に佐野さんや佐藤さんのロゴを紛れさせたら、彼らプロのクリエイターのロゴが必ず選ばれるでしょうか。

まずそんなことはないでしょう。つまりロゴ自体には誰が作ろうと明確な差はない、と思うのです。ただし、何回もそんな事をすればプロが選ばれる確率は若干高くなってくるとは思います。もちろん、重要なのは今回のオリンピックエンブレムでも選考理由となった「展開」と言う部分まで考えられているかとところもあるとは思います。

しかし、「展開」されるかどうかは実際にやってみないと分からない。どちらかと言うとその事業が成功するかどうかはロゴが決めることではなく、事業自体が素晴らしかったらロゴも素晴らしかった、と言うことになるんだと思います。その辺は何とも言えないので話を「佐野研二郎」というクリエイターを戻すとことにします。

なぜ「佐野研二郎」というクリエイターを作らなければならなかったのか。それは以前のTV業界で国民的スターを作る理由と同じです。国民的スターと言われている人達は知名度が非常に高い。ドラマやバラエティに出れば高視聴率、宣伝に出れば商品が売れる、みんなが知っているスターならではです。とりあえず国民的スターを出しておけば、あとはどうでもよかった。

しかし、ここ最近は国民的スターと言われる人がいなくなりました。なのでゴリ押ししてスターを作ろうとした。でも結局うまくいかなかった。最近の芸能人はある一定の人気があるけど、国民全員が知っているようなスターは少なくなってしまいました。そうなってくると視聴率も悪くなり宣伝効果も薄くなってしまいます。

となるとスターに頼らずに、企画やアイデアで勝負するしかないのですが、そんなことが簡単にできるわけもありません。以前は国民的スターを出すだけで高視聴率だったけど、今はしっかりと企画を練らなければならない。完全な実力主義です。それほどアイデアを出すのは難しいんだと思います。

今回の佐野研二郎さんのエンブレムの問題も、佐野さんを国民的なクリエイターをするための最後の仕上げだったんだと思います。クリエイターだって芸能人とおなし、スターになればその名前だけでロゴや様々なブランディングの価値が上がると言うもの。あの○○が作ったロゴです!といえばマスコミも記事にしやすいです。

佐野さんは過去に様々な作品を世に送り出しています。そしてある一定の地位をまでは昇りつめたものの、国民への知名度と言う意味ではほとんどの人がしりません。しかし、オリンピックと言う誰しもが知っているイベントのエンブレムと言う、これから5年間かなりの確率で目にするモノを作った。その実績があれば「オリンピックエンブレム=佐野研二郎」という図式が成り立ち、佐野研二郎氏の知名度も破格のモノになったでしょう。

恐らく情熱大陸やらNHKのドキュメンタリー番組でも取り上げられ、クリエイティブ会で盤石の地位を得ることになったはず。そういった人が作ったロゴなんかは高額になり、しかも発注した企業からしたらそんな有名人に作ってもらえたと高い金を払っても感謝する人もいたでしょう。

そうやって佐野さんをピラミッドの頂点として様々な高額な仕事が舞い込み、クリエイティブ界隈でお仕事が回っていく。このあたりが今回の佐野さんがエンブレムに選ばれた理由ではないでしょうか。

まあ、知らんけど。

しかしながら結局佐野研二郎さんの過去の作品でもパクリが疑われるものが続出。彼の地位は一気に地に落ちたと言っても過言ではないでしょう。むしろ、クリエイティブ界隈の負の部分が徐々にクローズアップされ始める始末。だって、ロゴなんて誰が作ってもかわらねーよ!と思っている「芸術が分からない」「知性のない人」たちがたくさんいるんですからね。

僕も依然勤めていた会社で、新規事業でロゴとコピーを考えてもらったときにびっくりしたんですよ。今回の佐野さんの騒動でも初期にちょこちょこ名前が挙がった有名クリエイターの一番弟子みたいな人に作ってもらったんですね。金額は80万円でした。正直高いって思いましたね。それでも安いんだって上司は言ってましたけど。なんだかすげー色々と案を持ってきてくれて、この中から選んでくれって感じで。上司がこれって選んだら、「いやー、それは最後のとっておきだったんですけどねー!」とかいう。

結局その事業がどうなったかと言うと1億くらい金使ってぽしゃりました。まあ、ロゴのせいじゃなくて僕らが悪いんですけどね。

いずれにせよ「佐野研二郎」という国民的なスタークリエイターを作る試みは恐らく失敗したと思います。これによってクリエイティブ界隈には多少ダメージがあることでしょう。そして大企業などのクライアント側も「有名なクリエイターを起用すればいい」という発想が変わってくるのではないでしょうか。

本当に実力のあるクリエイターにしっかりとお金を払うことでクリエイティブ界隈ももっと賑わってくると思うんですけどね。

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