ネイティブ広告はこう見抜け!ネイティブ広告のお手本のような記事(これがネイティブ広告とは言っていない)。「嘘はついていない」という最低なテクニックを見抜くポイント

ネイティブ広告はこう見抜け!ネイティブ広告のお手本のような記事(これがネイティブ広告とは言っていない)。「嘘はついていない」という最低なテクニックを見抜くポイント

皆さん、3月と言えば年度末ですよね。締めの作業があったり、異動があったりと色々といままでたまった仕事の整理整頓をしている人も多いのではないでしょうか。

さて、整理整頓と言えば名刺!そう名刺なんです!名刺交換した名刺が机の上や引き出しの中に山盛りになっていませんか?名刺の整理って本当にめんどうですよね。エクセルとか住所録とかに入力するのも手間がかかりますし。

そんなわけで名刺整理に役に立ちそうな記事を見つけたのでぜひご覧ください。見たらまたこのブログに戻ってきてくださいね!

「“完璧”な名刺データがほしい、とにかくラクに」 “続かない人”に贈る名刺サービス4選
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1503/24/news021.html

どうですか?記事ご覧になりました?僕は感動しました。もちろん名刺サービスについてではありません。この記事自体がまさにお手本のようだからです。何のお手本かと言うと、そう!ネイティブ広告(記事広告)のお手本のような記事なんです!といっても断っておきますが、この記事がネイティブ広告(記事広告)であるかどうかは分かりません。見たところどこにも「広告」って書いてないですしね(ゲス顔)

ではなぜこの記事がネイティブ広告(かどうかわからない)のお手本なのか。まず、記事を読んでみてどう思いましたか?多くの人が「Eight」がいいなーと思ったのではないでしょうか。それはなぜなのか。そこにはいろいろな細工が施されているからなのです。

エクセル入力と最後のスキャンマンは厳密に言うと名刺管理サービスとは違うので除くとして、以下の3つのサービスが紹介されています。

•名刺管理アプリ「CamCard Lite」
•名刺管理アプリ「Eight」
•名刺発送型名刺管理サービス「メイシー」

ではこの中で「Eight」が一番よさそうに見える細工とはなにか。

1、「ただ」と言う逆説的な補足の接続詞が使われている

それぞれのサービスの説明に置いて「ただ」と言う接続詞は「CamCard Lite」「メイシー」で使われています。それぞれそのサービスの良いところを説明し、「ただ」という接続詞でその後にデメリットを説明しています。「Eight」は「なお」という接続詞が使われていますが、デメリットはそれほど強調されていません。つまり、「Eight」以外はしっかりデメリットを強調しているんですね。

2、サービスごとの比較対象がおかしい

えー、ぶっちゃけ言うとこの記事は「Eight」vs「メイシー」なのでこの2つに絞ります。記事内ではEightの使い方として写真を撮るとデータ化してくれるとあります。それをオペレーターが入力してくれるのですごい楽!というわけです。

結果は、筆者の作業時間が17分、100枚すべての名刺データが得られるまでの時間が70時間となった。

一方のメイシーですが、こちらもオペレーターが入力してくれるのですが、入力してもらうためには名刺を送付しなければなりません。その分時間がかかるみたいです。

このサービスの筆者の作業時間は15分、100枚すべての名刺データが得られるまでの時間は156時間だった。

これみてどう思いますか?まあ、普通Eightのほうが便利だって思いますよね。でも実はメイシーでも写真撮ってデータ送れるんですよ。そして記事内にもメイシーの最後にこんな文章が書いてあります。

メイシーには出張サービスや、名刺を送らず自分で撮影する方法もあるので、ニーズにあった方法を選ぶといいだろう。

はい、つまりメイシーにも名刺を送らないで写真を送ることができると記事でもしっかり書いてあるんです。それならなんでメイシーもEightと同じ環境で比較しないのか・・・。お分かりだと思いますが、あまり差がないからだと思うんですよね。まあ、嘘はついていないというわけです。

3、料金の比較もおかしい

Eightは月額400円か無料。無料だと機能が制限されるみたいですね。メイシーは記事によると

「月額基本料1980円+名刺入力25円/1枚+スキャン10円/1枚+名刺返送料500円」

と言うことみたいです。まあ、これはそうなんでしょう。しかし問題は記事内にある比較の図。ちょっと引用させてもらいますね。

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利用料(100枚)の部分を見てみましょう。Eightは400円か無料。これは変わりません。メイシーはと言うと5980円とあります。はい、この5980円、月額じゃありません。100枚名刺のデータ化を依頼した場合のその月の料金です。実際の月額費用は記事にあるとおり1980円です。そしてもし郵送ではなく写真データを送る方式だと4480円となります。この辺の比較も平等じゃないですよね。

4、総合評価もおかしい

サービスの比較でよくある比較表ですが、今までの件を見るととても正確な表とは思えません。まあ、料金については100枚の名刺入力を頼むと確かに一番高いですが。終了時間に関してはEightと大差ないのではないでしょうか。なのでこう言った比較の場合はしっかりと総合評価の元になる記事を読まなくてはなりません。

5、本当にいいサービスを隠している

これが一番問題なのかと思います。まずメイシーでも写真データを送るサービスがあるのを少しだけ隠そうとしていました。まあ、これは記事の最後にちょろっと言及しているので良いとしましょう。実はメイシーには月額1980円払うだけの価値のあるサービスが付いているのです。

それはメルマガ配信機能。メールをたくさん交換しているうちに、名刺をもっと有効活用したいなーと思ってくる人もいるでしょう。その有効活用の一つの方法がメルマガです。メイシーにはこのメルマガ配信機能が付いているんですね。メルマガの機能としては必要最低限の機能しかついていませんが、それでも結構有効活用できます。ちなみEightにも最近CSVでデータを出力する機能がついたので、このCSVデータを使って他のサービスを併用しながらメルマガなどに活用することできます。

なんでメイシーのメルマガ機能を記事内に書かないんですかね?嘘は付いていないという典型です。

6、サービス紹介の順番

これは意図的なのかどうか分かりませんが、

•名刺管理アプリ「CamCard Lite」
•名刺管理アプリ「Eight」
•名刺発送型名刺管理サービス「メイシー」

という順番にも意味があると思います。悪い→良い→悪いという順番にすることによって良いの印象を引き立たせています。これが悪い→悪い→良いだと良いを強調しすぎて記事広告のにおいが少ししてしまうためだと思います。まあ、これはこじつけですけど。

どうですかね、だいたいこんな感じです。ちなみにスキャンマンはEightと提携しているのか、仲良いサービスなので、その辺も色々とこの記事内には内包されていると思いますよ。

ネイティブ広告を見抜くのは結構至難の業です。でもレビュー記事の名を借りた比較で相対的にあるサービスを持ち上げようとするのは良くある話。見分け方としては少しでも公平じゃないなと感じたら、しっかりと自分でサービスを検討するべきです。基本的にはサービスは記事ではなく各サービスのホームページも確認した方がいいと思います。

本当はこんなことしないで「公平・中立」な記事を書いてくれればそんな手間かけずに済むんですけどね。あ、今回紹介した記事がネイティブ広告かどうかは知りませんよ!あくまでもネイティブ広告ならこう言う書き方をするということを、今回紹介した記事内でやっていたというだけです。

ちなみに僕はEightもメイシーも使っています。メルマガ機能があるんでメイシーがメインですけどね。Eightのいいところは名刺交換した人もEightを使っていたら、異動の情報などが分かることです。名刺が変わって相手の人が新しい名刺を登録したらその情報が送られてきます。これはすごい便利。こう言ったまともな比較をしてくれればいいんですけどねー。

(追記)
ネイティブ広告ってなに?とか記事が広告ってどういうこと?って疑問に思う方はこちらの書籍を購入すると謎が解けます。ネットメディアのカモにされない、もしくは正しい判断ができるようになるためにも読むことをお勧めいたします。

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